「AIで業務効率化できると聞くけれど、うちの規模で本当に効果が出るのか」。この疑問に答えるため、本記事では公開情報で結果が確認できるAI業務効率化の企業事例を20件集め、業務の種類ごとに整理しました。銀行や大手メーカーの事例も多く含みますが、やっていることは「文書のたたき台作り」「照合・転記」「問い合わせ対応」「ノウハウ検索」など、中小企業でも再現できる業務ばかりです。事例ごとに削減時間の数字と「中小企業で再現するなら」を添えていますので、自社に近い業務から読んでみてください。
AIによる業務効率化とは?生成AIで何が変わるのか
AIによる業務効率化とは、人が時間をかけていた作業の一部をAIに任せ、確認や判断に人の時間を使えるようにすることです。とくに生成AI(文章・画像・コードなどを作れるAI)が普及してからは、「文書のたたき台を作る」「社内資料から答えを探す」「会話を要約する」といった事務作業の多くが対象になりました。
総務省の「令和7年版 情報通信白書」によると、日本企業のうち生成AIを「業務で使用中」と答えた割合は55.2%です。用途としては「メールや議事録、資料作成等の補助」が47.3%でもっとも多く、専門的な分析よりも日常の事務作業から使われ始めていることが分かります。一方で、活用にあたっての課題としては「効果的な活用方法がわからない」が最多でした。使い始めた企業は増えたものの、「どの業務に効くのか」の具体例が不足しているのが現状です。
生成AIを業務効率化に活用する4つのメリット
生成AIを業務に取り入れるメリットは、大きく次の4つに整理できます。

| メリット | 具体的に起きること | 効きやすい業務 |
|---|---|---|
| 1. 作業時間の短縮 | たたき台を数秒で作り、人は修正と確認に集中できる | 稟議書、報告書、提案書、メール |
| 2. 属人化の解消 | ベテランの知識を誰でも自然な言葉で引き出せる | 社内問い合わせ、カイゼン、技術伝承 |
| 3. 品質の均一化 | 書き方や対応の基準を揃えられる | 顧客対応、マニュアル、記録 |
| 4. 人手不足への対応 | 採用が難しい事務・対応業務を少人数で回せる | コールセンター、バックオフィス |
1つ補足すると、生成AIは「人の代わりに全部やる」道具ではありません。後述する事例でも、AIが作るのはたたき台で、最終確認は人が行っています。この「AIが下書き、人が仕上げ」の分担を前提に設計すると、失敗が少なくなります。
生成AIで業務効率化した企業事例20選【業務別一覧】
ここからは、公開情報で結果が確認できる事例を20件、業務の種類ごとに5つのグループに分けて紹介します。業種で探すより「自社にもある業務か」で探すほうが、置き換えがしやすくなります。

| # | 企業・組織 | 対象業務 | 効果(公開情報) |
|---|---|---|---|
| A. 型のある文書の作成 | |||
| 1 | 宮崎銀行 | 融資稟議書の作成 | 作成時間を95%削減 |
| 2 | 京都銀行 | 稟議書素案の自動作成 | 年間最大11,700時間の削減見込み |
| 3 | 恵寿総合病院 | 退院時サマリーの作成 | 1件15分→5分、年間約540時間 |
| 4 | 東北大学病院×NEC | 紹介状・退院サマリの作成 | 作成時間を平均47%削減 |
| B. 記録・照合・転記 | |||
| 5 | みずほ証券 | 議事録の作成 | 作成時間を約30%削減 |
| 6 | リキマン(建機レンタル) | 荷札・送付状の作成 | 作成工数を90%削減 |
| 7 | ナベル(製造業・三重) | 受注・出荷・請求の照合 | 担当3人→1人、作業時間を半減 |
| 8 | 従業員20名の製造業 | 業務マニュアルの作成 | 1件2〜3時間→約30分 |
| C. 問い合わせ・応対 | |||
| 9 | 東京ガス | コールセンターの応対支援 | 年間約11,000時間削減、エスカレーション14%減 |
| 10 | 中国銀行×日立 | 融資業務のAIエージェント | 年間1万時間以上の削減見込み |
| 11 | パナソニック コネクト | 社内AIアシスタント・品質基準の照会 | 1年で約18.6万時間削減 |
| D. 全社展開・日常業務 | |||
| 12 | MIXI | ChatGPT Enterprise 全社導入 | 月間約17,600時間削減 |
| 13 | 日清食品 | 社内AIチャット・Copilot | 1人あたり年約79時間削減、費用対効果3.9倍 |
| 14 | GMOインターネットグループ | 全社での生成AI活用 | 月間約22.4万時間削減(1人あたり約38時間) |
| 15 | マブチモーター | 間接業務の効率化 | 3か月で約9,500時間削減 |
| 16 | 三菱UFJ銀行 | 書類作成・照会対応など | 月22万時間の削減を試算 |
| E. 現場・企画・組織全体 | |||
| 17 | 旭鉄工 | カイゼンノウハウの検索 | 現場の知見を自然な言葉で引き出せる仕組みに |
| 18 | セブン-イレブン・ジャパン | 商品企画 | 企画期間を最短で10分の1に |
| 19 | アイニグループ(奈良・京都南部) | 10部門での自動化 | 年間2,247時間削減、IT部門なし |
| 20 | 横須賀市 | 全庁でのChatGPT活用 | 職員の約8割が「効率が上がった」と回答 |
A. 型のある文書の作成|稟議書・サマリー・紹介状
もっとも効果が出やすいのが、「決まった項目を、決まった順で、過去の情報をもとに書く」文書です。銀行の稟議書と病院のサマリーは業種こそ違いますが、構造は同じです。
事例1:融資稟議書の作成時間を95%削減(宮崎銀行)
宮崎銀行は日本IBMと共同で、融資の稟議書(社内の承認を得るための文書)を生成AIで作成するアプリケーションを開発しました。行員が手作業で行っていた作成時間は95%削減され、2024年4月から一部店舗で本番利用が始まっています。構想から稼働までおよそ2か月と短期間だったのは、ゼロから作らず検証済みのAI部品を組み合わせたためです。
事例2:稟議書の素案を自動作成し年間最大11,700時間を削減(京都銀行)
京都銀行はNTTデータと組み、生成AIが行内システムから必要なデータを集めて要約し、稟議書の素案を自動で作るシステムを2026年に導入しました。年間最大11,700時間の業務削減を見込んでいます。実証では、AIが「判断に必要な情報が足りない」と示唆できることも確認され、担当者のスキル向上にもつながると期待されています。
事例3:看護サマリー作成を15分から5分に(恵寿総合病院)
石川県の恵寿総合病院は、退院時の看護サマリー(患者の経過をまとめた文書)の作成に生成AIを導入しました。2023年12月の実証では、1件あたりの作成時間が約15分から約5分に短縮され、年間では約540時間の削減が見込まれています。
事例4:紹介状・退院サマリの作成時間を47%削減(東北大学病院×NEC)
東北大学病院とNECは2023年10〜11月、電子カルテの情報を時系列に整理したうえで生成AIに要約させ、紹介状や退院サマリを自動作成する実証を行いました。新規に作成する要約文の作成時間は平均47%減りました。カルテを先に整理してからAIに渡す手順が、事実と異なる出力(ハルシネーション)を抑える工夫になっています。
中小企業で再現するなら:見積の説明文、提案書の背景説明、月次報告、施工報告書など「型のある文書」はすべて同じ構造です。過去の文書を3〜5件AIに渡し、「この形式で新しい案件について下書きして」と指示するところから始められます。
B. 記録・照合・転記|議事録・荷札・マニュアル
「情報はすでにあるのに、書き写す・突き合わせる・整えるのに時間がかかる」業務です。中小企業の事例が多いグループでもあります。
事例5:議事録作成の時間を約30%削減(みずほ証券)
みずほ証券は音声認識AIを使った議事録作成ツールを導入し、作成時間を約30%削減しました(2023年5月発表)。精度が上がったことで関係者からの修正依頼も減り、25以上の部署に広がっています。
事例6:荷札・送付状の作成工数を90%削減(リキマン・建機レンタル)
建設機械レンタルのリキマンは、外部の生成AI顧問サービスを使い、出荷時の荷札・送付状を生成AIで自動作成する仕組みを作りました。作成工数は90%減り、空いた時間を顧客対応や在庫の最適化に振り向けています。大がかりなシステム開発ではなく、日々の小さな定型作業から手をつけた点が中小企業らしい事例です。
事例7:受注・出荷・請求の照合を3人から1人に(ナベル・製造業)
三重県で蛇腹(じゃばら)製品を製造するナベルは、受注・出荷・請求のデータを突き合わせる照合作業に自動化ツールを導入しました。3人で行っていた作業が1人で済むようになり、作業時間は半分に。空いた人員は品質管理や新規事業に回しています。
事例8:マニュアル作成を2〜3時間から約30分に(従業員20名の製造業)
従業員20名の製造業では、既存のWordファイルや業務メモをもとにChatGPTでマニュアルを作成する運用に切り替え、1件あたり2〜3時間かかっていた作業が約30分になりました。手元の資料をAIに渡して構成と文章のたたき台を作らせ、人が現場の言葉に直す分担です(コンサルティング会社の紹介記事による匿名事例)。
中小企業で再現するなら:日報から週報への転記、介護の申し送り、伝票と請求書の突き合わせ、会議の録音からの議事録作成など、「元データがある転記・照合」から始めるのが近道です。記録がすでに電子化されていれば、要約や照合をさせるだけで効果が出やすい業務です。
C. 問い合わせ・応対|コールセンター・社内照会
「同じ質問に何度も答えている」業務は、社内向けでも顧客向けでも効果が出ます。
事例9:コールセンターの応対時間を年間11,000時間削減(東京ガス)
東京ガスは、コールセンターでの会話を音声認識で分析し、オペレーターの画面に回答候補を自動表示するAIを導入しました。年間約11,000時間の応対時間削減、1件あたり平均10秒の短縮、上席への引き継ぎ(エスカレーション)14%減という結果が出ています。新人が先輩に聞かなくても答えにたどり着けるため、教育期間の短縮にもつながりました。
事例10:融資業務をAIエージェントで自律化し年間1万時間以上を削減見込み(中国銀行×日立)
中国銀行と日立製作所は2026年2月、融資業務のうち「審査担当者の意見書作成」「融資実行後の事務」「モニタリング時の財務分析」の3業務を、複数のAIエージェント(自律的に手順を進めるAI)に任せる取り組みを始めました。この3業務だけで年間1万時間以上の削減を見込み、対象業務を広げれば数万時間規模になるとしています。メモやマニュアルといった非構造データも読み込ませる点が特徴です。
事例11:社内AIアシスタントで年間18.6万時間を削減(パナソニック コネクト)
パナソニック コネクトは社内向けアシスタント「ConnectAI」を国内約12,400人に展開し、1年間で約18.6万時間を削減しました(1回の利用あたり平均約20分)。品質管理の基準書11,743ページを読み込ませた専用AIなど、社内照会への回答に自社データを使う段階へ発展しています。16か月の運用で情報漏洩や著作権侵害のトラブルはゼロと報告されています。
中小企業で再現するなら:よくある質問と回答を数十件整理し、生成AIに読み込ませて回答案を出させる仕組みは、コールセンターがなくても作れます。まず「電話・メール・チャットで繰り返し聞かれること」を1週間書き出すところからです。
D. 全社展開・日常業務|1人あたりの削減時間で見る
特定業務ではなく、社員全員に生成AIを配って日常業務に使わせたグループです。「1人あたり月何時間」に換算すると、規模の違う会社でも比較できます。
事例12:ChatGPT全社導入で月間17,600時間を削減(MIXI)
MIXIは2025年3月にChatGPT Enterpriseを全社導入し、約2,000人で月間約17,600時間の削減を報告しています。1人あたり月11時間の計算です。週1回以上使う社員は3か月で80%に達し、用途は文書の作成・編集、アイデア出し、調査、技術的なトラブル対応、データ分析の順でした。社員自身が作った業務別カスタムGPTは1,800個を超えています。
事例13:1人あたり年約79時間を削減、費用対効果3.9倍(日清食品)
日清食品ホールディングスは2023年4月に社内チャット「NISSIN AI-chat」を立ち上げ、月間利用率は約85%に達しています。部署ごとに150以上のプロンプトテンプレート(営業の商談ロールプレイング、広報のコピー案出しなど)を用意したことが定着の要因です。Microsoft 365 Copilotの利用者では1人あたり年約79.4時間の削減となり、ライセンス費用に対して3.9倍の効果と試算されています。
事例14:1人あたり月約38時間、全社で月22.4万時間を削減(GMOインターネットグループ)
GMOインターネットグループは国内従業員に定期調査を行っており、2025年6月の調査(有効回答5,405人)では生成AIの業務活用率94.1%、削減時間は月間約22.4万時間、1人あたり約38.4時間でした。67.7%が複数のAIツールを使い分けており、エンジニアの96.5%がコーディングなど日常業務に組み込んでいます。
事例15:間接業務で3か月に約9,500時間を削減(マブチモーター)
小型モーター大手のマブチモーターは、法人向け生成AIサービスを全社導入し、2024年10〜12月の3か月で約9,500時間(年換算約38,000時間)の間接業務を削減しました。海外拠点向け研修動画の翻訳(1〜2か月→約5日)、多言語の特許調査、原価分析用の関数・VBA生成などが具体例です。約130人の有志で試験運用してから全社に広げる手順を踏んでいます。
事例16:月22万時間の削減を試算(三菱UFJ銀行)
三菱UFJ銀行は、書類作成・情報検索・社内照会対応・データ整理などに生成AIを使うことで、月22万時間の労働時間削減が見込めると試算しています(2023年11月報道)。人員削減ではなく、空いた時間を顧客対応や判断業務に振り向ける方針が明示されている点は、中小企業がAI導入を社内に説明するときにも参考になります。
中小企業で再現するなら:ポイントは「1人あたり月10〜40時間」という数字です。社員10人なら月100時間以上に相当します。まず汎用の生成AIツールを安全に使うルール(入力してよい情報・いけない情報)を決めて全員に配り、日清食品のように業務別のテンプレートを用意することが、もっとも費用のかからない第一歩です。
E. 現場・企画・組織全体|カイゼン・商品企画・自治体
事務作業以外にも、現場のノウハウや企画業務、行政の仕事にまで効果が広がっている事例です。
事例17:カイゼンのノウハウを誰でも引き出せるように(旭鉄工)
愛知県の自動車部品メーカー旭鉄工は、長年蓄積してきた改善(カイゼン)の知見を、ChatGPTを使って自然な言葉で引き出せる「カイゼンGAI」を構築しました。「待ち時間を減らしたい」といった問いかけに、過去の改善事例や考え方が返ってきます。同社はIoTとカイゼンの積み重ねで年間約4億円の労務費削減(2015年比)を実現しており、生成AIはその知見を組織全体に広げる役割を担っています。
事例18:商品企画の期間を最短で10分の1に(セブン-イレブン・ジャパン)
セブン-イレブン・ジャパンは、POSデータやSNSの情報を生成AIで分析し、商品企画の資料作成を支援する仕組みを2024年春から展開しました。企画にかかる期間は最短で10分の1に短縮され、企画1件あたりの社内会議も約5回から1回に減ったと報じられています。
事例19:IT部門なしで10部門・年間2,247時間を削減(アイニグループ)
奈良県と京都府南部で住宅・リフォーム・不動産・介護・保育など11事業を営むアイニグループは、IT部門の社員がいない状態から、2024年10月に全社のAI推進ワーキンググループを立ち上げました。10部門から21人が参加し、Google WorkspaceとChatworkの連携自動化、経理処理の効率化、不動産物件情報の確認自動化などを進めた結果、年間2,247時間の業務削減に至っています。専門人材を採用せず、一般社員が学びながら実装した点が中小企業向けの参考事例です。
事例20:全庁でChatGPTを活用、職員の約8割が効率化を実感(横須賀市)
神奈川県横須賀市は2023年4月、自治体として初めてChatGPTを全庁で試験導入しました。約1か月半の実証後のアンケートでは、職員の約8割が「業務効率が上がった」「継続して使いたい」と回答しています。主な用途は文書の下書き、文章の生成、情報の整理でした。一方で約3割が検索代わりに使うなど不向きな用途もあり、使い方の研修とあわせて本格導入に進んでいます。
中小企業で再現するなら:ベテランの「こういうときはこうする」を文章にしてAIに検索させる仕組み(事例17)と、IT担当がいなくても一般社員のワーキンググループで進める体制(事例19)は、そのまま中小企業に当てはまります。過去のトラブル対応記録やクレーム対応の履歴が素材になります。
20の事例に共通する「効いた理由」
20の事例を並べると、業種や規模は違っても効いた理由は3つに集約されます。
- 対象業務が「型のある文書・回答・照合」だった。稟議書、サマリー、荷札、議事録、FAQ回答はいずれも、入力と出力の形が決まっています。生成AIは自由な創作より、この種の「決まった型に情報を流し込む」作業に強みがあります。
- 自社のデータをAIに渡している。過去の文書、基準書、改善事例、FAQなど、自社にしかない情報を読み込ませたことで、一般的な回答ではなく「うちの会社の答え」が返るようになっています。
- AIが下書き、人が仕上げの分担を崩していない。95%削減した宮崎銀行でも、最終的な判断は行員が行います。全自動を目指さず、確認工程を残したことが、品質とスピードの両立につながっています。
逆に言えば、「型がない業務」「データが紙のまま」「全自動にしたい」の3つが揃うと、効果が出にくくなります。
中小企業がAI業務効率化を進める4つのステップ
事例を自社で再現するための進め方を、4つのステップにまとめます。より詳しい進め方は「【2026年】AIの業務効率化、何から行う?失敗しない導入5ステップ」で解説しています。

| ステップ | やること | 目安期間 |
|---|---|---|
| 1. 業務の棚卸し | 「毎週同じ文書を作る」「同じ質問に答える」業務を書き出す | 1週間 |
| 2. 1業務で試す | 汎用の生成AIツールで下書きを作らせ、時間を比べる | 2〜4週間 |
| 3. ルールと型を作る | 入力してよい情報の基準と、うまくいったプロンプトを共有 | 1か月 |
| 4. 自社データと接続 | FAQや過去文書を読み込ませ、社内専用の仕組みに育てる | 2〜3か月 |
ステップ2までは月額数千円のツール費用で始められます。ステップ4は自社データの整理やツール開発が必要になるため、外部の支援を使うかどうかの判断が分かれるところです。
制作会社として多くの中小企業を見てきた立場から言うと、ステップ1を飛ばしてツール選びから入る会社がもっとも失敗しやすい傾向があります。「何に使うか」が決まっていないと、契約したツールが使われないまま終わります。棚卸しに1週間かけるほうが、結果的に早く効果が出ます。
導入前に確認したい3つの注意点
- 情報の取り扱いルールを先に決める。顧客情報や未公開の数字を汎用ツールに入力すると、情報漏洩のリスクがあります。パナソニック コネクトがトラブルゼロを報告できたのは、ルールを整えたうえで展開したためです。具体的な作り方は「生成AIの情報漏洩を防ぐ社内ルールの作り方【6項目】」をご覧ください。
- AIの出力は必ず人が確認する。生成AIは事実と異なる内容をもっともらしく書くことがあります。東北大学病院の事例のように、元データを整理してからAIに渡す手順も有効です。対外文書や数字を含む文書は、確認工程を省かないでください。
- 効果は時間で測る。「なんとなく便利」で終わらせず、事例のように「1件あたり何分が何分になったか」「1人あたり月何時間か」を記録します。次の投資判断の根拠になります。測り方は「AI導入の費用対効果(ROI)の測り方」で解説しています。
よくある質問
Q1. 中小企業でも大企業と同じような効果は出ますか?
業務の型が同じなら、効果の出方も同じです。建機レンタルのリキマンは荷札作成を90%削減し、アイニグループはIT部門なしで年間2,247時間を削減しています。規模より「対象業務の選び方」が結果を左右します。
Q2. 生成AIの導入にはどれくらい費用がかかりますか?
汎用ツールを使う段階(ステップ1〜3)は、1人あたり月額数千円が目安です。自社データを読み込ませる専用の仕組み(ステップ4)は要件によって幅があるため、対象業務と削減したい時間を整理したうえで見積を取ることをおすすめします。
Q3. 最初に手をつけるべき業務はどれですか?
「毎週・毎月、同じ形式の文書を作っている」「同じ質問に答えている」業務がもっとも効果が出やすい対象です。報告書、議事録、マニュアル、見積の説明文、社内問い合わせなどが該当します。
Q4. 情報漏洩が心配です。どう対策すればよいですか?
入力してよい情報・いけない情報の基準を文書化し、法人向けプランなど入力内容が学習に使われない設定のツールを選ぶことが基本です。
Q5. 社員がAIを使ってくれない場合はどうすればよいですか?
「何に使えばよいか分からない」が主な原因です。日清食品やMIXIの事例のように、業務別のテンプレートを用意し、うまくいった使い方を共有する場を作ると利用が広がります。詳しくは「生成AIが社内で使われない5つの原因と定着させる方法」をご覧ください。
まとめ:事例の「型」を自社の業務に当てはめる
生成AIで業務効率化した企業事例20選を、業務別に見てきました。共通するのは、型のある文書や回答を対象に、自社のデータをAIに渡し、人が最終確認する分担を守っていることです。まずは1つの業務で「AIの下書きを直す時間」と「ゼロから作る時間」を比べるところから始めてみてください。
とはいえ、どの業務から始めるか、自社データをどう整理するかを社内だけで決めるのは簡単ではありません。スゴヨクAIでは、業務の棚卸しから小さな試行、社内専用ツールの開発まで、中小企業のAI業務効率化を実装から支援しています。まずは無料相談から、自社の業務でどこに効きそうかを一緒に整理しましょう。
参考:総務省「令和7年版 情報通信白書」/日本IBM・宮崎銀行発表(2024年6月)/京都銀行・NTTデータ発表(2026年2月)/恵寿総合病院・Ubie実証(2024年1月)/東北大学病院・NEC実証(2024年3月)/みずほ証券・アドバンスト・メディア発表(2023年5月)/リーチ「生成AI顧問」活用事例(PR TIMES、2026年)/東京ガス(2022年8月)/中国銀行・日立製作所発表(2026年2月)/パナソニック コネクト(2024年6月)/MIXI(2025年8月)/日清食品(Business Insider Japan、2025年4月)/GMOインターネットグループ調査(2025年6月)/マブチモーター事例(日鉄ソリューションズ、2025年3月)/三菱UFJ銀行(日本経済新聞、2023年11月)/旭鉄工(ET & IoT 2023、MONOist)/セブン-イレブン・ジャパン(日本経済新聞、2023年11月)/アイニグループ(PR TIMES、2026年)/横須賀市 実証結果報告(2023年6月)/事例8は中小企業向けChatGPT活用事例の紹介記事(匿名事例)に基づく
